看護師はいつも悩んでいる
だから看護師やめられない

病室で白無垢の花嫁支度を整えて

特別病棟に、悪性疾患でご夫婦ともに入院されている人がいらっしゃいました。
ご夫妻には一人息子さんがいらっしゃり、ときどき仕事の帰りに病室に寄られていました。

とある日、夜勤をしていた一人の看護師のことをご子息が見かけられ、一目惚れをされました。
息子の気持ちに気付いたご夫婦は
「その看護師に自分たちの息子と付き合ってもらえないか」
と話し、二人は交際をすることになりました。

二人の交際が始まり、しばらくした頃にご主人の方は寛解状態になり退院されましたが、奥さんの方は少しずつ状態が悪くなっていきました。

そのような状態になったため、ご主人の方は二人に早く結婚してもらい
「奥さんを安心させてほしい」
と願われ、それに二人は応じることにし結婚をすることを決めました。

婚約を交わしたあとも、奥さんの方はどんどん体調が悪くなりました。
当初は花嫁の友人の多くがその病棟の看護師で、結婚式の参列者としても出席するため、いざとなったら奥さんのそのサポートをして奥さんには外出許可で病室から出席してもらう、ということにしていました。

ですが状態がすぐれずそれも無理となり、どうしたものか検討しました。

結果、師長さんのはからいもあり花嫁さんのご両親のご理解もあって、奥さんの病室についている和室で花嫁の支度をして病室から結婚式会場にいくということにしました。

当日は奥さんは起き上がることもできないかなり悪い状態になっていましたが、花嫁さんの支度をし終わるのを見届けることができました。
ご子息も支度をして病室にかけつけ、二人は奥さんの前で結婚の誓いを交わしご子息はこれまでのお礼をのべられました。
その様子をご主人も見守りっていました。

奥さんはそれから一週間もたたないうちに旅立たれました。
ご主人もその後再入院をされ、あれよあれよという間に状態が悪くなり奥さんの後を追うように旅立っていかれました。