看護師はいつも悩んでいる
だから看護師やめられない

ママと赤ちゃんの絆。天国に旅立つ瞬間まで・・・。

私はNICUで勤務していた時に、とても生命力の強い子供に出会ってみんなを幸せな気持ちにしてくれた体験をしたことがあります。

その子供の母親は、これまでに習慣性流産で何度も妊娠をしながらも、なかなか出産に至ることはできませんでした。
不妊治療はとてもお金がかかるので「経済的にもこれが最後かな?年齢的にもこれが最後になるだろう」
と、妊娠初期から入院をして経過を見ていたのです。
そんな病院下の管理にいても、やはり流産の危険には冒されてしまいました。
妊娠21週の時に、もう生まれてしまうかも!という状況になり、私たちは、何とか22週を超えてくれるように、必死で治療を行いました。
母親も絶対安静の中、辛かったと思いますが、すべては生まれてくる、まだ見ぬ子供のため。
そのためにみんなが一丸となって22週までの妊娠継続を望んで頑張りました。

その願いが届いたのか、何とか妊娠を継続することができ、赤ちゃんが生まれてきたのは、22週と2日でした。
それはとてもとても小さな赤ちゃん。
22週なので、肌はゼラチン様、目も開いていません。
一度は呼吸をしたように見えましたが、とても自分で呼吸を出来る週数ではなく、すぐにNICUの管理下に置かれました。

22週というのは、生育限界ギリギリのライン。
呼吸状態も循環動態もなかなか安定しませんし、私たちは出来る限りのことをしながら、赤ちゃんの生命力にかけるしかありませんでした。
母親は、帝王切開で出産したにも関わらず、翌日から赤ちゃんに母乳を届ける為、毎日NICUを訪問。
そして保育器越しに愛情を赤ちゃんにおくっていました。
そんな母子関係を見ていたので、私たちも赤ちゃんには元気になって欲しいと思っていました。

何度も命の危機に直面しながらも、それを乗り越えた赤ちゃん。
しかし生後6ヶ月の時に循環不全で亡くなってしまいました。

赤ちゃんはとても頑張っていましたが、医療側は、いつまで頑張れるのだろうかと不安要素いっぱい。
長くは生きることは難しいかもしれないと思っていました。

1キロにも満たない赤ちゃんに呼吸器がついていましたが、お母さんの希望に沿ってカンガルーケアを行いました。
母と赤ちゃんが密着する時間は医療関係者にとってもとても緊張をする時間でした。

しかし母と子にとってはとても充実した時間だったのでしょう。
カンガルーケアの時だけは目を開けて母親をじっと見る姿も見られたのです。

赤ちゃんが旅立とうとする瞬間も、母親は、子供を抱っこしたいと希望しました。

ママの胸の中でゆっくり眠った赤ちゃん。
天国に旅立っていった赤ちゃん。

私はこの母子のことを忘れることはできません。